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肉汁餃子のダンダダン アフタームービー制作

このたび株式会社moodは、全国110店舗以上を展開する「肉汁餃子のダンダダン」のブランドムービー制作を担当させていただきました。1号店が東京・調布にオープンしたのが2011年。2026年2月で15周年という大きな節目を迎えるブランドの「いま」と「これから」を、約69秒・モノクロを基調としたシネマティックな映像に凝縮しています。

「餃子とビールは文化です」——このブランドコピーが指し示すのは、単なる業態の話ではなく、街に根づき、人の暮らしの一部になっていく時間そのものです。本ムービーでは店舗の朝の張り詰めた空気から職人の手仕事、そして調布の小さな1軒から始まったブランドが現代の街を歩く人々の景色と重なっていくまでを描き、ダンダダンという存在の「核」を一本の映像として可視化しました。

本記事では、制作を担当した自分(mood・杉田)の視点から、本作の制作背景と意図を、企画・構成・ディレクション・撮影・編集の5つの工程に沿ってお伝えします。

このブランドの根っこにあるもの

肉汁餃子のダンダダンを運営する株式会社ダンダダン(株式会社NATTY SWANKYホールディングス傘下)は、2011年1月19日に東京・調布の天神通りで産声をあげました。当時、餃子はラーメン店や中華料理店の「サイドメニュー」という位置づけが一般的。そこに「餃子とビールを楽しめる店」という新しい価値観を持ち込み、看板商品「肉汁焼餃子」を1年以上かけて開発したのが、ブランドの始まりです。

掲げているのは「餃子とビールを日本の文化にする」というビジョン。そして「街に永く愛される店づくり」というモットー。皮には全粒粉を7%配合し、餡は肉と野菜の配合比率まで研究を重ね、機械化が進む業界にあって1号店から変わらず職人の手包みを貫いている。「皮・餡・握り・焼き」という4つのこだわりは、創業以来ぶらすことなく磨き続けてきたものです。

本作の打ち合わせで自分が何度も立ち戻ったのは、ブランドが大切にしている一つの言葉——「ホンモノ」でした。にせものや作りものでない、本当のもの。見せかけでなく実質を備えていること。本格的であること。15周年を迎えるブランドが、なぜ今もなお生活者から選ばれ続けているのか。その答えは、現場の人と手仕事の中にしかない。そう確信したところから、企画は始まりました。

企画|「ホンモノは磨き続ける」を映像の中心に据える

企画段階で自分がまず行ったのは、「ダンダダンらしさとは何か」を徹底的に分解する作業でした。15周年、110店舗超、海外進出と、語ろうと思えばいくらでもスケールの話にできる。けれど、それでは街の小さな1軒から始まったブランドの体温は伝わらない。視聴者の記憶に残るのは、規模ではなく「眼差し」だと考えました。

そこで本作の中心に据えたのが「ホンモノは磨き続ける」というメッセージです。完成された姿を見せるのではなく、磨き続けている最中の現場と人を映す。朝礼で背筋を伸ばすスタッフ、火を見つめる職人、手で皮を伸ばす指先。広告映像でありながら、ドキュメンタリーのように静かに「在り方」を見せる構成にしたいと、最初の企画書に書きました。mood社が大切にしている「『余韻』をデザインし、記憶に残る体験を」という考え方とも、自然に重なるテーマだったと思います。

構成|行動指針を映像のリズムに翻訳する

構成で最も時間をかけたのは、ブランドが現場で大切にしている行動指針を、どう映像のリズムに乗せるかという点でした。「現状に満足せず、今よりも成長するという強い意思を持ち続ける。」「決して人のせいにせず、何事もまずは自分に責任があると思う。」「足元を振り返り、目の前のものを突き詰める。」「何人や何事にも関心を持ち、新しい事を発見する。」「関わる全ての人々に感謝し、」——これらの言葉を、ただテロップで流すのではなく、それぞれに対応する映像の温度と組み合わせて配置していきました。

序盤は朝礼の静謐なモノクロ。中盤で「ホンモノ」という白背景のタイポグラフィを大胆に置き、明朝体で「にせものや作りものでない、本当のもの」と辞書的に定義する。そこから「ホンモノは磨き続ける」というブランドメッセージへ接続し、火と手仕事の調理シーンへ、最後に街と人々の景色へ。69秒の中に、ブランドの哲学・現場・社会との接続を一気通貫で通す構成にしました。一文一文のテロップが短く、視聴者がスマートフォンで観てもひとつずつ読み切れる長さに収めることも、強く意識した点です。

ディレクション|「演じない」現場をつくる

ディレクションで自分が現場のスタッフの皆さんにお願いしたのは、「演じないでください」という一点でした。カメラが入ると、人はどうしても良い表情を作ろうとしてしまう。けれど、ダンダダンの「ホンモノ」を映すためには、普段通りの朝礼、普段通りの仕込み、普段通りの手の動きでなければ嘘になる。だから自分は撮影前に時間をかけてスタッフの皆さんと話し、カメラを意識しない時間を一緒につくっていきました。

本作で印象的に映っている、朝礼で背筋を伸ばし、まっすぐ前を見つめるスタッフたちの眼差し。あれは演技ではなく、毎朝あの店で繰り返されている本物の景色です。15周年というブランドの歴史を支えてきたのは、こうした日々の積み重ねそのものだという確信が、自分のディレクションの軸にありました。「美しく、自分らしく。いいムードをつくる」というmoodのフィロソフィーは、被写体に何かを足すのではなく、もともとそこにある美しさを引き出すことだと、自分は理解しています。

撮影|モノクロという選択と、一点の「赤」と「炎」

撮影は1920×1080のシネマティックなトーンで、本編のほぼ全てをモノクロで設計しました。色情報を引き算することで、視聴者の視線は表情・所作・光の陰影へと集中する。餃子という「色で食欲を訴える」題材を、あえて色で語らない。それが本作の最大の挑戦であり、ブランドの精神性を最優先する選択でした。

一方で、構成上のクライマックスとなる円陣のシーンでは、モノクロからカラーへと一気に切り替え、VHSノイズ風のテクスチャと赤を強く効かせた処理を入れています。さらに調理現場では、漆黒の中に揺らめく「炎」のオレンジだけが画面の中で生きている瞬間を切り取りました。引き算の中に置かれた一点の色は、最大の主張になる。69秒という限られた尺の中で、視聴者の感情をどこで動かすかを、撮影段階から綿密に設計しています。

編集|69秒で15年を語り切るための取捨選択

編集で向き合ったのは、「何を入れないか」という決断でした。撮影では膨大なカットを押さえています。職人の手元、皮を伸ばす指、餡を包む瞬間、焼き上がる音、配膳、お客様の笑顔。素材は十分すぎるほどありました。けれど、69秒という尺で15年分のブランド精神を伝えるためには、足し算ではなく掛け算になる組み合わせを選び抜く必要があります。

本編では明朝体のタイポグラフィを画面いっぱいに置く静の時間と、グリッチ風・RGB色収差を効かせた動の時間を、意図的に交互に配置しました。視聴者の呼吸が浅くなる瞬間と、深くなる瞬間を交互につくる。最後はブランドロゴ「肉汁餃子のダンダダン」だけを白背景に置き、すべての情報を引き算した一枚絵で締めくくっています。観終わった後にロゴだけが脳裏に残り、ふと餃子の香りを思い出してほしい。そんな「余韻」をデザインしたかったのです。

肉汁餃子のダンダダンの最新情報はこちらから

新メニュー、店舗情報、15周年記念イベント、海外展開などの最新情報は、肉汁餃子のダンダダン公式サイトでご覧いただけます。また、運営会社の企業情報や採用情報については、株式会社NATTY SWANKYホールディングスの公式サイトもあわせてご参照ください。

制作クレジット

制作:株式会社mood(杉田)

担当領域:ブランドムービー企画・構成・撮影・編集・ディレクション

「余韻」をデザインし、記憶に残る体験を。